4月3日の午後2時半を過ぎた頃、宮崎市古城町の鵬翔高校サッカーグラウンドで練習試合を行っていた高校生に雷が落ちるという痛ましい事故が起きました。当時、鵬翔高校と熊本県山鹿市の鹿本高校の生徒がおり、そこに落雷があったようです。
16人がけがをして2名が意識不明の重体となりましたが、その後21時半ごろの情報では1名が意識を回復させ、もう1名が集中治療室で治療中とのことです。
ここまでの大惨事となった今回の落雷ですが、予兆はなく備えをする事が出来なかったのでしょうか。
宮崎市のサッカーグラウンドで起きた落雷の状況
当時、宮崎市には雷注意報が発令されていたそうです。また、学校では雷が鳴った際は練習を中断するという安全対策マニュアルがあったことから、雷が鳴り始めたらすぐに練習を止めて屋内に避難するという形を取ったはずです。
しかしながら、実際は激しい雨が降っていたわけでもなく、雷が鳴っているということもない、落ち着いた天気だったとのことでした。
ゴロゴロという音もしないままに突然ピカっと光って「バシャーン!」という激しい音がした。と周辺住民のかたは語っており、そういう状況だったことからも学校側は中止や退避を考えられなかったと説明しています。
コートの外の鹿本高校のベンチ近くに落ちたとのことで、関係者によるとグラウンドにあるベンチ前の人口芝が黒くなっていたということです。かなり激しく落雷した様子がうかがえますね。
宮崎市のサッカーグラウンドで起きた落雷は対策できなかたのか
通常、雷が落ちる前兆として紹介されているのは、「空が真っ黒な雲で覆われる」や「冷たい風や突風が起きる」、「急な豪雨」などです。また、髪の毛が逆立ったり、肌の表面がチクチクするといった体感的なものも前兆として起こり得るそうです。
もっとも、雨や風の変化よりも先に落雷が怒るケースもあるとの事で、今回は正にこのケースだったことが考えられます。唯一わかっていたのは雷注意報が発令されていたという点暗いです。
自衛隊は雷注意報が発令されたら例え雷鳴が聞こえなくても、雨が降っていなくても訓練を中止して屋内にいるようにするという話もあるので、今回の件も注意報がある時点で練習試合を結構すべきではなかったのかもしれませんね。
今回のように一切の前兆がない落雷について取れる対策は「雷注意報が発令されていたら屋内にいる」以外ないように思います。
なお、前兆がある場合は以下の対策を取ることが推奨されています。
- 広場から離れ棒状のものを高く突き出さない
- 木の近くからは離れる(4m以上)
- 建物や車の中に避難。軒下は危険
- 最終手段として雷しゃがみをする
出典:NHK
雷しゃがみとはつま先立ちで足をそろえ、姿勢を低くししゃがんで耳をふさぐというスタイルです。その際、電線の下は避雷針を役割を果たしてくれることから低リスクとのことなので、近くに電線があるならそこで雷しゃがみをするのが有効です。
落雷が直撃した時の応急処置は?AEDを使うべき?
落雷における死亡事故のほとんどが心肺停止による即死で、今回も2名が一時心肺停止に陥っています。2016年の情報にはなりますが落雷による心停止にAEDが有効かどうかは確認ができておらず、その後有効性が認められたというような発表は調べても出てきませんでした。
もっとも、そうだとしてもAEDの使用が可能なのであれば使用し、無ければ心臓マッサージ等の心肺蘇生法を開始することをNHKも推奨しています。
また、心停止などが無く熱傷がある場合については、通常のやけどの手当と同じ処置を施すことが推奨されています。
- 冷たい水を始め冷やせるものを患部に当て続けて冷やす
- 衣類は脱がさずそのままで処置を行う
- 水ぶくれができていたら潰さずに消毒した布か、無ければなるべく清潔な布で覆ってその上から冷やす
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